(前回から続き)
・・・急いで戻ったが、コーちゃんの姿はなし。
廊下に出て窓の外を見ると、ちょうど他の営業の方と一緒に車で駐車場を出てったところ。
間に合わなかった。次、いつ来るの、コーちゃん・・・。
なんか、もう、最初から縁なんてなかったんだよ。
少し冷静になろうよ。仕事中だよ? 何やってんのよ。
「大野さんお疲れ」
ふいに声をかけられ振り向くと、森山君。
「誰か探してるの?」
けげんそうに顔を覗き込んでくる。
「ううん、ちょっと郵便物取りに総務にいったところ。・・・あ、森山君、お菓子あげるよ。先週温泉に行ってきたんだ。これおみやげ」
もう森山君にあげちゃえ。なんかどうでもよくなってきた。
「え、ほんと? ありがとう。会津行ったんだ。いいなあ。大事に食べるよ、ありがとう」
どういたしまして余りものだけどね。
ものすごくうれしそう。よかった、と思う反面、すさまじい勢いで良心の咎めが・・・。
机に戻ると、マサコさんがこっち見てる。やっぱり目が何か語りかけてる。
「すみません、席、外しちゃって。戻りました」
「苦労が多いのね、いろいろ」
ちっ、余計なお世話よ(笑)。
もう完全に感じとっている。コーちゃんが来社してからの私の怪しいふるまいに、何かを。
こんなことではいけない。仕事は仕事。
日常の生活をちゃんとこなしてこそ、恋愛の感情も、また輝いていくのだと思う。
でも、あらためて知る、火曜日の午後。
自分が本当に、彼のこと大好きなこと。
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