金曜日。
やっとだねえ。
今週、異様に疲れたわ。
午前中。
地下の倉庫へ商品チェック。
エレベーターを待っていると、
安田課長が。
今度の異動で東京の支店からいらした。
「けん」さんに似てるので命名。
一緒にエレベーターに乗り込む。
しばし沈黙。
「あなたは…。大野さんか。」
「はい。安田課長。よろしくお願いいたします。」
「ああ、こちらこそ。」
エレベーターが着いたので、「開く」ボタン押す。
「ありがとう、お先に。」
ちょっと小走りで、自分の棚へ。
四十代なかばくらい?
あまり背は高くないんだけど、
人懐っこい笑顔が印象的。
小学生の息子さんがいるって、聞いた。
商品のチェックが済み。
地下からエレベーターで上がろうとすると。
安田課長も用が済んだようで。
「よく会うねえ。」
「はい、会いますねえ。」
エレベーターに乗り込む。
「あなたは、何期入社?」
「37期です。」
「え? もしかして高卒?」
「いえ、大卒入社です。」
「へー、若く見える。」
「ありがとうございます。」
エレベーターがフロアへ。
また「開く」を押す。
別れ際に、安田課長。
「ちょっとはいい気分になれた? これからもよろしくね。」
いたずらっぽく笑って、二課のフロアへ。
「?」
…あれ、お世辞で言ったってこと?
ちぇっ、意地が悪いな。
でもなんか、憎めない、不思議な人。
