かまってあげる? どうする?

火曜ごきげんよう。


仕事は、まだまだ忙しい。

今年度の商売は、このあたりでおひらき。

だけど。

営業事務の私たちは、

来年度のフォーマットづくりに奔走。


ここで汗をかいておけば、

年度内のルーティーンは、

右から左へ流せることも多くなり。

ひいては商売全体の流れが滞りなく。

営業さんの負担も、ずいぶん軽くなる。


あっという間に、お昼休み。

そして、

そんなこんなで、一日が暮れる。


夕方。

地下の倉庫で、山中君にばったり。


「ああ、山中君、なんかひさしぶり。」

ちょっと目があって、すぐ反らされた。

「お疲れ様です、大野さん。」


その後、柏木さんとはどうなの?

エレベーターで、ふたりきり。

山中君に、ボソっと言われた。


「あーあ、ひかりさんみたいな彼女が欲しいなあ。」


唐突に、何よ。

かまってあげる? どうする?


「若い者が何を考える必要あるの? ガッツガッツ!」

「ガッツで、彼女ができるのかなあ。」

「気合いが足りない! そのへん走って発散してこい!」

私、やれやれと。

彼、こりごりみたいな。

ふたりで、吹きだして笑う。


エレベーターが4階に到着。

それぞれ持ち場に戻る。

夕焼けが、フロアの一角に差し込む。


一時はね。

この子に、心奪われた頃もあったけど。

やっぱり、トシの差には勝てない。

すでに。

私の傍らを通り過ぎた、男のひとりに過ぎず。

山中君。


いちおうね。

私にも新しい展開が待っているの。

おばさんのことなんて、

もうすっかり忘れてね、あなた。


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