(前回より続きます。)
「大野さん、ぼくと結婚してください。」
怖い顔して、大まじめに、彼。
うん。
唐突で虚をつかれたけど。
この人なら、
そう来るのも想定内。
回答も用意してある。
「私も同じ気持ちで今日もこうして、小島さんにお会いしています。」
彼の顔がみるみる紅潮してゆく。
少し笑みを見せて。
…待て待て、続きがあるのだよ。
「でも、もっと、お互いを知る時間が必要だと思います。お食事してお出かけして、小島さんがどんな人か、ずいぶんと知ることができました。これからもお互いに理解を深めて、お話を進めていきましょうね。」
無難・ザ・無難(笑)…いまのこの段階で
10人の女性に問うたら、8人はこう返す模範解答。
と、思ったんだけど…。
その後、考え出しちゃって、彼。
いろいろ気を使って、話題を振るんだけど。
心ここにあらず、みたいな。
長時間の沈黙、というか、押し黙って。
お夕飯も一緒にって、考えたけど
日曜だし、早めに切り上げて別れた。
真剣なんだろうけど、
それがどうにも機嫌悪そうに感じられて。
想定していた展開にならず、
実際に、機嫌が悪くなったのだろう。
こんな真剣に告白してるのに、そんな答えはないだろう、
…って感じに、とられたかなあ。
けっして、拒否したわけじゃないじゃん?
どうにも余裕がない人だね、何につけても。
やっぱり、最初から違和感のある人は、
結局うまくは付き合えないのかなあ。
…いや。
そんな簡単に結論づけてはいけない。
最後の婚活にするんだよね?
…ね?!
帰宅すると、
母が待ち構えて、どうだった、って。
夕方の河川敷の件以外を、
かいつまんで話した。
楽しかったよ、って。
