(前回より続きます。)
「ここが、私のいちばん好きな場所です。」振り返ると、陽の落ちた街並みが
登ってきた階段の下に見える。
…知ってる。
予習してきたから(笑)。
夕焼け何とか…ってのでしょ。
「まあ、素敵ですね。」
と、とりあえず言ってみたものの。
私には…私には、だよ?
あんまり刺さってこなかった。
「ちょっと落ち込んだときとか、人間関係で悩んだときとか、これくらいの時間にここを訪れて、ここから夕焼けを見るんです。」
「心が洗われるようですね。」
…嘘つき。
何とも思わん(笑)
でも相手が好きだというものを、
頭ごなしに否定できないし。
そんな感じで、同意のうなづきで
勘弁して(笑)
何か食べて帰る?
これ、こっちから誘わないと。
では失礼しますって、おひらきになりそ。
「お食事して、帰りましょうか。どこかおすすめのお店はありますか。」
お昼のお蕎麦屋さんは、なかなかよかったよ。
う~ん、う~んと悩んでる。
ほんと悩んでるのよ、真剣に。
道端に立ち止まって、下向いて。
こういうときは、相手に、何か食べたいものありますかって、聞けば?
そういう機転が、利かないのね。
真剣になっちゃうんだろね。
…だいじょうぶなのだろうか。
「…はい! 食べたいものリクエストします!」
手をあげて、にっこり笑って。
でも向こうはさらに困惑してるような。
「居酒屋に入って、おつまみメニューを食べたいです! お刺身とか串焼きとか、海鮮サラダとか!」
少し笑って、ではそうしましょう、と
ほっとしたような表情の彼。
…飲んでやる。
もう、どう思われてもいいから、
徹底的にうさ、晴らしたる(笑)
で、日暮里駅前の居酒屋に落ち着く。
このあと、面白いこともとくになく、
私はほろ酔い気分で電車に吸い込まれ、
帰宅。
どうもだめだ。
波長が合わなくないか?
この人。
でも、
こっちも努力しないといけない。
与えられるばかりが
当たり前になってるかもしれないけど、
この人にそんなこと、期待しても、
ラチ開かなそう。