3月、去る人(その1)

お昼時。


休憩時間に、しばらくぶりの顔。


安藤ちゃん

でも、何しに来たかは、

同期の間ですでに情報共有済み。


退職して、故郷に帰り、再起を期す。

いなかの宮崎に帰って、生家の畜産業を手伝う、って。

最後のご挨拶に、来たんだよね。


寂しくなるね。

でも頑張ってね。


最後に、抱き合って、本当に、

ふたりで、泣いた。


同期というだけで、

そんなに、大親友ってわけでもなかったけど、

安藤ちゃん、わんわん泣くから、

こっちももらい泣き。


お昼休み。

通り過ぎる、傍らの人たちが、

好奇の眼差しで顔を覗き込んできた。

が、

憚りもせず、抱き合って、泣いた。


本当に苦しかったと思う。

辛かったと思う。

くやしかったと思う。

安藤ちゃん。


誰のせいでもないんだろうけど。

もちろん、安藤ちゃんが悪いわけでもないけど。

残る人たちに同じ轍は踏ませたくない。


働くとは、何か。

生きてゆく、とは、何か。

本当の幸せとは、何か。

もう一度、皆で考え直せれば。


いつでも、またおいでね、安藤ちゃん。

待っているよ。


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