今日はふたりが広島へ帰る日。
なんか、いろいろあって
盛りだくさんで楽しかったね。
最後は、お墓参り。
ユウも、じいじにごあいさつしてね。
姉が、お墓の周りを掃いている。
母は、お線香に火をともして。
私は、お水汲んで。
「おれも、なんか手伝う(おれの「お」にアクセントね笑)。」
ユウ、ありがとね。でも大丈夫だよ。
姉は、今日も言葉少な。
素手で、雑草を抜いて捨てている。
どういう心境でいるのか、妹にもわからず。
最後に私とユウが、水を使って、お線香を供え、
手を合わせて。
ユウが、墓石に手を合わせているのを、
横から、ちらと見る。
もう、子供じゃないよね。
頼もしい横顔になってきた。
「じいじと何を話したの?」
ユウが、うーっ、と少し考えてから。
「いつも守ってくれて、ありがとうって。」
「そうだね。守ってくれてるよ、いつも。」
ユウが私に説いてくる。
「いつもいつもはダメなんだよ。でもどうしてもってときに必ず助けてくれるんだ。」
「? …そうだね。これからもね。」
これを、この子がそう感じて、私に話してるのかな?
ふうん…。
「じいじが全力で守ってくれるから、おれも全力でお墓参りするんだ。」
あ…。
…全力、って。
聞き覚えがある。この時だ。
母は、姉にも父の存在をそう説明してたんだ。
そして姉は、息子に、その通り説いて。
ユウは自然に、当然のように、父に手を合わせて。
連綿と続く親族血族は、こうして命をつないできたんだ。
そしてこれからも───。
…そんなふうに思った。
「ユウ、もう帰るよ。桶とかひしゃくとか、片づけて」
「はーい」
新幹線の駅まで、見送って。
ふたりが広島へ帰っていった。
電車の窓から、
姉も微笑んで手を振って応えていた。
またおいでね、ユウ、お姉ちゃん。
いつでも、待っているよ。
でも姉の笑顔は。
5月の時のような、心から見せるそれのように、
私には見えなかった。
それが気になった。
