彼が養ってくれるのかな、私を。

9月になった。


8月締めの弊社は、新しい期に入った。

本社営業部の朝礼には、社長がお出まし。

いつになく危機感を滲ませた訓示となった。

溺れる者は、沈め、だってさ。

東京の2拠点は、統合を余儀なくされ───。

私が定年の頃、この会社、あるのかなあ。

…なんて。


お嫁に行けたら、

仕事やめて、家庭を切り盛りして、

子育てして、内助の功、なんて考えてたけど、

すっかり行き遅れ…。


嘆くべきは、この男運のなさよ。

どうなっちゃってるのよ、もう。


だから先々週、資格の試験

受けに行ったんだ。


すっかり現実味を帯びてきた、

「ひとりで生きてく人生」に、

少しでも備えていかないと。

こんなにモテるのに、何で?(笑)

男子、見る目なさ過ぎ、なんて。


朝礼が終わって。

各自、持ち場へ就く。


「暗い顔してると、ブスになっちゃうよ。」

私を追い越しざまに。誰よ?

振り向いたのは、山中君。

ニヤって笑って、背中で手を振った。


彼が養ってくれるのかな、私を。

なら、いますぐ結婚してもいいよ、

あなたと。


…なんてね。

期首から何考えてんだろね。

がんばんなきゃ、私。


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