(前回より続きます。)
「そこで私は理解しました。この人は、私をいじめてこの会社から追い出そうとしているのだと。」
…えぇーっ!?
そんな展開に、なっちゃうの?
いつもの気だるい朝礼が。
でも。
営業さんから、ところどころで、
クスクスと笑いが起きる。
え?何で笑うの?
笑うところじゃないでしょ?
山田君も、不敵な笑みを浮かべながら。
「だから、私は、何としてでもこの会社に残って、結果出して、数字あげて、必ず課長の鼻を明かしてやろうと、心に誓いました。それまでは、ここをやめるわけにはいきません。精一杯がんばりますので、皆様、よろしくお願いいたします!」
深々と一礼。
ヤンヤ、ヒヤヒヤと大歓声と拍手。
「山田、さっそくユーザーを訪問して稼いで来いや!」
「山田、骨は拾ってやる。心配するな!」
「そろそろ根性見せろ山田!」
営業さんたちから、檄が飛ぶ。
もちろん、笑いながらだけど。
やっと朝礼、散会。
古田課長も、やれやれみたいな眉毛(笑)
あとから聞いた話だけど。
先週金曜の飲み会で、
この展開はすでに「計画済み」だったらしい。
(私は一次会で帰っちゃったから、知らなかった。)
お前、朝礼で挨拶させるから、
なんか面白いこと言え、って(笑)。
だから、二課の営業さんから
失笑が漏れたのか。
しかも、古田課長もこのこと知っていて。
山田、課長をイジって笑い取れ、と。
どこまでが本当で、
どこからが盛っているのやら。
なんだろうもう、この人たちは。
ほんとに、ほんとにびっくりしたんだから。
ふざけてばかりの彼ら。
やるときゃやるで、頼もしい彼ら。
ユーザー様にはけっこう嘘つきな彼ら。
数字の十字架背負って、
毎日くたくたの彼ら。
でも、愛すべき、チームメイト。
胸がすく思いで、終日。
何だろ。この気持ち。
よくわかんないけど。
心地よく退勤して、
夕方の街に溶け込んでった。
