私が君に何を求めているか、 わかるよね?

(前回から続きます)

夜景。

本当に、評判通りの、美しさ。

他にもカップルが数組。

しばし、二人で

港の夜景に見惚れる。


彼に、

背中から、ふいに抱き寄せられた。

今まで知ることのなかった彼が、

すぐそばで息づいている。


「え(笑)、ちょっと距離近くない?

それはルール違反だよ。ねえ、こらー」


肩をつぼめて、精一杯の抵抗を、

したつもりだったけど、

そんなふうには、

受け取られなかったよう。


彼に向き直って、問うた。

まさに、

長い間、知りたかったこと。


「私が君に何を求めているか、

わかるよね? 

何が知りたいか、わかるよね?

なのにどうして教えてくれないの?」


「ふふ・・・」

微笑んで、私の口元を見ている。

やがておもむろに、

顔の輪郭を親指でなぞられ、

自分も意図せず、目を閉じた。

当然、自然に、唇が重なる。


ほんのわずかの判断の差だったと思う。

拒みたかった。

ここでそうなって、その先に何が?

でもそうなってしまった。

拒むことはできなかった。


「うちで、飲もうよ」

「・・・うん」


夜景はたしかに、きれいだった。

(次回に続きます。)

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