そんでいつかのように楽しいお酒を飲みましょう。

週が明けた。


さあ、通常業務をこなしながら異動引き継ぎの準備もしなきゃ。

5月の連休があるから、そんなに時間は残されてない。


今日は、まず営業部の部長と課長をたずねて。

金曜の午後にメール差し上げて、来週早々ごあいさつに伺いますとお伝えしておいた。

今日、直接、営業部のフロアを訪ねる。


部長、開口一番。

「おお、お待ちしてましたよ大野さん。」

「よろしくお願いいたします。」

握手を求められる。 ?


「大野さんも木村さんも、新しい部署でさらに活躍してくださることを期待しています」


やさしい、穏やかな口調。は? この方は本当はこんな人だったの? あの時の印象が強くて。

あ、部長は、もう亡くなったけど、俳優の大杉漣さんを少し若くした感じかな。


「ありがとうございます。精一杯頑張ります」

とか。


そしてやっぱりにやにや顔に。


「忙しい部署だけど、まあみんなで楽しくやりましょう。そんでいつかのように楽しいお酒を飲みましょう、大野のねーさん(笑)」


とほほ。何を見込まれて異動してきたのか、少し不安なような(笑)。


課長は、急用とかで今日は会えなかった。

でも帰りに、エレベーターの前で森山君に会った。


「やあ、いらっしゃい。何かわからないことがあったら聞いてね。」

「うん、ありがとう。この時間に社内にいるのって、忙しいの落ち着いてきた?」

彼、ちょっとはにかんで笑って。

「そうだね。でも連休前にもうひと踏ん張りかな」

森山君、返す笑顔も、ずいぶん穏やかに戻ってる。


「自分は民間企業対応の部隊所属なんだけど、大野さんは今度、市役所とか警察とか公立の学校とかがお客様の部署だね。最初は大変かもだけど、がんばってね。」

森山君、あまり目も合わせずに、自分のデスクへ戻ってった。

部隊所属って、戦う男たち、って感じで気が引き締まる。だって本気でまじめな顔して言うもんだから(戦時中?笑)。


ありがとう、森山君。心強いよ。よろしくね。


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